飛騨地域に移住を考えている方、就職や結婚を機に高山に戻ってこようと考えている方の中には、飛騨地域で暮らしていく中で共通の趣味をもつ友人ができるか不安に思っている方も少なくないと思います。
今までに実際に飛騨地域に移住を決め、暮らしている人たちはどのような方法でコミュニティに参加し、気の合う友人を見つけてきたのでしょうか。
今回は飛騨地域の市民活動の中でも特に大きな規模の団体のひとつ、高山市民吹奏楽団の活動について取り上げ、活動の実態や移住者だからこそ感じる新鮮な部分について、本間あかりさんに伺いました!
-どのような経緯で高山市民吹奏楽団を知ったのですか?
私は高校卒業後新潟県から高山市へ移住しました。高山市に来てすぐの頃、何か面白いイベントや友人を作ることができるような活動はないかと思い、市民文化会館で情報を集めていた時に目にしたのが高山市民吹奏楽団の定期演奏会の情報でした。それが最初の出会いです。すぐに定期演奏会を聴きに行って、興味を持ったので、事務局へ行き経緯を話すと、一度見学をすると良いと勧められ、活動の見学に行くことになりました。
最初は活動に参加しようという強い意志はなくて、ちょっと見に行ってみようという軽い気持ちだったのですが、いつの間にか講師の先生や団員に「新しく入る子」として紹介されてしまい、「これは入るしかない…!」と思い、入団を決めました。(笑)
-他にも様々な音楽団体がありますが、どうして高山市民吹奏楽団を?
趣味のサークルといっても参加するからには力を入れて練習して、達成感のある時間を過ごしたいという思いが自分のなかにあって。自分の理想に一番近い活動形態をとっているのが高山市民吹奏楽団でした。練習中には「その言い方はキツくない?」と思うほど厳しい意見が飛び交うこともしばしば…。でもみんなが本当に真剣に練習に向き合っているからこそ、出てくる意見ばかりです。普段はストイックに練習していますが、練習の合間には一緒にご飯を食べに行ったり、練習後に時間ギリギリまで話し込んだり、学生に戻ったみたいです。(笑)
-そんな高山市民吹奏楽団の具体的な活動日時を教えてください!
高山市民吹奏楽団の活動は基本的に毎週金曜日夜8時から9時までの1時間、主に合奏練習を行っています。会場は8時より前に空いてるので、仕事が早く終わった日は、7時くらいに行って個人練習してます。演奏会の直前になると週二日の合奏練習に加えて講師の先生によるレッスン、パートごとの個別練習もあり、多い時は活動が週四日になることもあります。
参加は強制的なものではなく、みんな自分や家族の予定に合わせて無理なく活動に参加しています。どうしても練習量が多くなる時期があるので、家族や職場の理解と協力が不可欠です。わたしの職場は、火曜定休のシフト制なので定期演奏会の前は、他のスタッフにお願いして練習日を確保させてもらっています。
―「定期演奏会」はどのような目的で、どのような曲を演奏しますか?
毎年行う「定期演奏会」では、市民に本格的な吹奏楽をベースにした「新しい」演奏を楽しんでもらうこと、自分たちが新しいものに挑戦する中で、さらに音楽を追求することを大切にしています。曲は指揮者でもある音楽監督と相談して決めますが、「吹奏楽のための音楽」を主に演奏します。毎回楽器やダンスなど様々なジャンルのプロの方をゲストとして招いて、新しいことに挑戦しています。例えば、2019年の第51回定期演奏会では和楽器のプロ演奏家と吹奏楽のコラボ演奏を行いました。和楽器と洋楽器の演奏は拍の取り方や音の伸び方が全く違うので調和のとれた演奏をするのはとても大変でしたが、今まで他の誰も挑戦したことのないコラボは私達にとっても良い刺激にもなりました。
―高山市民吹奏楽団に入団したからこそ経験した出会いや思い出のエピソードはありますか?
普段定期的に集まり、短時間で濃い時間を共有しているので、演奏会以外での特別なイベント(集まる機会)は少なく、演奏会後の打ち上げで初めてお話する人もたくさんいます。特に思い出に残っているのは、入団して最初の定期演奏会です。その演奏会で短めのソロを任せてもらって、終始緊張してて…。(笑)打上げのときに、今まで話したことがなかった人たちが 「ソロ良かったよ~」話しかけてくれてとても嬉しかった記憶があります。私にとって吹奏楽団の団員は、同じものを一緒に作り上げる部活仲間、チームメイトという感覚とずっと楽器を愛し続けて探求し続けている先輩たちへの尊敬の気持ちと入り混じた、学生時代の部活仲間とはまた違った特別な存在です。
-実際に入団してみて想像とのギャップや辞めようと思ったことはありましたか?
はじめは自分と同じ世代の人たちと交流できることを期待して参加した活動でしたが、実際に入団してみると40・50代の私の父母世代が多くて、私と同世代がとても少なかったことや音楽大学出身の方や個々のレベルが想像よりも高く、練習に対してもストイックな方が目立っていたので戸惑いを感じることもありました。あとは、方言が強すぎて何を言っているのか分からないことも…。(笑)
辞めようを思ったことは実は何回かあります。私的には、高山市民吹奏楽団って「青春の延長」みたいなノリなんです。大会に出るのかってくらい毎回本気で練習しています。みんな本気で取り組んでいるからこそ、他の人にも厳しい目を向けるので、楽器の練習が目標まで進んでいないと大変なことになんです…。趣味で始めたことなのにどうしてこんなに苦しい思いをしているんだろうって思うときはふと辞めたくなっちゃいます。なんとかひと山超えると「でも結局楽しかったね」ってみんなと話してるんですけどね。(笑)
―それでも今まで活動を続けてこられた秘訣は何かありますか?
高山市民吹奏楽団のストイックな雰囲気は団員皆が辛い事も含めて「音楽を追求すること」に楽しさを感じるから成立しているのかなと思います。みんなが演奏に手を抜かずに熱心に取り組んでいるからこそ、演奏会が成功した時に仲間と一緒に喜び合える瞬間は格別に感じます。私は、今まで意識して長く続けようと思ってきたわけではないけれど、もう少し頑張ってみようかなと思っているうちにもう7年経ってしまいました。これからもずっと続けていくかは分からないけど、もうちょっと頑張ってみようかなと思っています。
団体名:高山市民吹奏楽団
活動日:毎週金曜日夜7時~9時 (8時~合奏)
演奏会近くになると週2~4日に活動日が増えます
活動場所:高山市民文化センター
事務局住所:コサカ楽器
事務局連絡先:TEL(0577)32-1031
★お試し参加や見学だけでもOK!お気軽にご連絡ください。
インターン生 都竹清花さんが手がけたインタビュー記事
都竹清花